数年前、乗り合わせた電車の車両に、大きなヘッドホンをつけた女子高生が吊り革を掴んで立っていた。
清楚でおとなしそうなお嬢様風の子だったが、離れていても音漏れがシャカシャカと聞こえてくるほどの音量で音楽を聴いていた。
「今時のJKはどんな曲を聴いているのか」「こんなおとなしそうな子が爆音で何を聴いているんだろう」と気になった僕は、路線図を確認するフリをして席を立ち、JKに近づいた。
良い子のみんな、110番通報はやめようね。
不審者・痴漢と勘違いされないギリギリの距離を保ちつつ、耳を澄まし全神経をJKのヘッドホンの音漏れに集中させた。
「……テメラブーイキス!アワナブーイキス!テメラブーゥイキス! ! ブーイキス!キサマラブーイキス!キサマラブーイキス!キサマラブーイキス!…」
いやマキシマムザホルモンやん(笑)
「ぶっ生き返す」聴いてる黒髪清楚JKとか人生最大のギャップ萌えでした。
西野カナとか聴いてるのかと思ったらマキシマムザホルモンですよ?
語尾に常に「〜ですわ」ってつけてそうなお嬢様風JKがカラオケでヘドバンしながらシャウトしてる姿を想像したら鼻血出そうになりました。
さて、こんな変態トークはさて置き、今回はこのJKのようにイヤホンやヘッドホンで大音量で音楽を聴いていると耳が聞こえなくなってしまう「イヤホン難聴」「ヘッドホン難聴」という恐ろしい病気についてご紹介したいと思います。
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴とは
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴とは、イヤホンやヘッドホンを使って音楽を大音量で長時間聴き続けることによって耳の奥にある蝸牛(かぎゅう)という器官がダメージを受け、最悪の場合耳が聞こえなくなってしまう病気です。
WHO(世界保健機構)の調査によると、音楽プレーヤーやスマホで街中でも気軽に音楽を聴けるようになった現代では、世界の12〜35歳の若者の50%がイヤホン難聴・ヘッドホン難聴の予備軍として聴力を失う危険に晒されているそうです。
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴になる大きな要因は以下の3つです。
・長時間続けて聴く
・高い周波数の音を聴く
イヤホンやヘッドホンは上記の要件を満たしやすいため、難聴になるリスクがとても高くなります。
85dbから100dbの音量(車や電車の出す音量に相当)に1日8時間以上さらされていると聴覚に異常があらわれるといわれています。
電車内などでは音楽を聴くためにそれより大きな音量で聴いていることになるため、もっと短い時間でも聴覚障害の危険性が出てくることになります。
WHOの調査では、100db超の音量だと経った15分でも耳の機能を損傷するおそれがあるとしています。
どんな症状が出るのか
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴になると、以下のような症状が現れます。
・耳鳴りが頻繁に起こる
・めまいがする
「普段よりも音が聞こえづらくなったな」とよく感じるようになったり、キーンという耳鳴りの症状がよく出るようになった、大きな音を聴いているとめまいがするときがある場合は、イヤホン難聴・ヘッドホン難聴にかかっている可能性があります。
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴は突発性難聴と違い、ある日突然耳が聞こえなくなるのではなく少しづつ聞こえにくくなるため、発見が遅れ気づかないうちに症状が進行してしまいます。
治療方法
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴になると治療は難しいと言われていますが、かかった直後であればステロイド剤や血流改善薬を投与することにより症状が改善することがあるそうです。
ただし、聴力が低下してしばらく経った後だと、治療しても症状は改善せず、一生治らないこともあります。
早期治療が大切になるため、聞こえ方に異変を感じたらすぐにイヤホン・ヘッドホンの使用をやめ、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
予防法
①ボリュームの上限を決める
iPodなどの音楽プレーヤーなどでは、最大音量の60%以下であれば安全とされています。
街中や電車内などの屋外では大音量でないと聞こえにくいためついつい音量を上げてしまいがちですが、「音量は絶対60%以上にしない」と自分の中でルールを決めて耳に負担をかけないようにしましょう。
②耳を休ませる
イヤホン難聴・ヘッドホン難聴は耳に負担をかけることで引き起こされるため、それほど大きくない音量でも長時間ぶっ通しで聴いていると難聴になってしまいます。
ヘッドホン・イヤホンで聴いた時間の3倍の時間は耳を静かにして休ませる必要があると言われています。
③遮音性の高いイヤホン・ヘッドホンを選ぶ
カナル型のイヤホンや、ノイズキャンセリング機能のついたイヤホン・ヘッドホンは周囲の騒音を遮断してくれるため、それほど大きくない音量でも音楽を聴くことができます。
値段は少し高いものが多くなりますが、過剰にボリュームを上げることを防ぐことができるため、なるべく遮音性の高いイヤホン・ヘッドホンを選ぶようにしましょう。
まとめ
音楽好きの人やDTMer、音楽を仕事にしている人にとってイヤホン・ヘッドホンは欠かせない存在だと思います。
大音量の方が迫力があるし、音楽を聴く時間を急に減らすのは嫌かもしれませんが、もしイヤホン難聴・ヘッドホン難聴になってしまい聴力が衰えたら音楽を聴くことすらできなくなってしまいます。
そうならないためにも、イヤホン難聴・ヘッドホン難聴についてよく理解して、常日頃から耳をいたわるようにしましょう。
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