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フリーランスで仕事をされている方や、会社員でも副業収入が20万円以上ある方は自分で税金の計算をして確定申告をしなければなりません。

「税金とか確定申告とかよくわからん!」という方でも、今日からすぐにできることがあります。

それは、レシートや請求書などのお金の出入りを記録した書類は一切捨てずにすべて取っておくことです。

コンビニなどで「レシート要りますか?」と聞かれてもついクセで「ア、イイッス」と断ってしまったり、もらったとしてもすぐにクシャクシャに握りしめてゴミ箱にポイーと捨ててしまう人も多いかと思います。

確定申告が必要になりそうだけどどうすればいいのかよくわからないという方は、とりあえず今日からでも買い物時のレシートや電気代の請求書などはすべて捨てずに保管しておくようにしましょう

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なぜ捨てちゃダメなのか

所得税の納税額は、その年1年間の総収入金額から必要経費を差し引いて算出した所得の金額をもとに計算します。

この必要経費の金額を算定するために、本当にお金を払ったんだということを証明できるものが必要になります。

レシート、領収書、請求書などその支払内容を証明する書類を取っておけば、本当にお金を払ったんだということの証明になるため、これらの書類は捨てずに保管しておくようにしましょう。

 

すべて取っておく必要はあるの?

必要経費に算入できる金額は、所得税法において次のように規定されています。

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

小難しくゴチャゴチャと書いてありますが、要するに(1)は収入を得るための直接的な費用、(2)は収入を得るための間接的な費用ということです。なお、事業活動とは無関係な家事やプライベートのための支出は必要経費として認められません

(1)収入を得るための直接的な費用というのは、事業や製品に直接関係する費用のことで、例えば、同人誌を制作してコミケで販売しているクリエイターの場合は、本の材料代である紙代や印刷費用、サークル参加費などがこれに該当します。

(1)についてはイメージがしやすいかと思いますが、(2)収入を得るための間接的な費用については範囲が非常に広くなります。

例えば、先ほどと同様に同人誌を制作してコミケで販売しているクリエイターの場合、原稿作成のために買った文房具代や移動のための交通費など、家で創作活動を行っているなら家賃や水道光熱費などの一部が必要経費として認めらます。

さらに、一般的な感覚では事業活動のための費用として認められないんじゃないかと思うようなものでも必要経費として認められる場合もあります。

例えば、イラスト制作の参考にするために購入した漫画代やフィギュア代とか、アシスタントとして原稿制作を手伝ってくれた友達に謝礼代わりに食事をご馳走をした場合の食事代なども、事業活動のために必要なものであれば必要経費として認められます

ただし、どこまでが必要経費として認められるのかという判断は難しいものが多いため、「税金や確定申告のこととかよくわからん!」という人は、レシート・領収書・請求書などはすべて捨てずに取っておくようにしましょう。

もしある程度税法の知識があり明らかに必要経費として認められないと判断できるものならなら捨てても構いませんが、取っておけば記帳や家計簿の管理のためにも役立ちますので、できるだけ捨てずに取っておくことをおすすめします。

不要なレシート等がある分には問題ありませんが、必要なレシート等がないとなるとその分の金額は必要経費として認められなくなり納税額が高くなってしまうので、とりあえず全部取っておいて確定申告の時期にどれが必要になるか税理士や税務署に相談するようにしましょう。

 

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いつまで取っておけばいいの?

所得税法では、レシート・領収書・請求書等は確定申告期限の翌日から7年間保存しなければならないと規定されています。

2018年中の費用のレシート等については、確定申告期限(2019年3月15日)の翌日から7年間、つまり2026年3月15日まで保存しておく必要があります。

非常に長いです。廃棄できる頃には東京オリンピックどころかその次のパリオリンピックすらとっくに終わっています。

そもそも、レシート等の書類は確定申告のときに税務署に提出する必要はなく、確定申告書の提出後に税務調査(税務署が本当に税金の金額を正しく計算しているか調査すること)が入ったときに税務署の職員の人に提示できるようにするために保存をしておく必要があります。

したがって、保存期間の7年以内に税務調査が入ったときに「もう捨てちゃいましたサーセン」なんてことになったらその捨ててしまった分の費用の金額については必要経費として認められず、それによって高くなった所得税額について追徴課税を受けることになりますので、失くさないようにしっかり保存しておきましょう。

 

保存するときの注意点

レシート等の書類は税務調査の際にパッとすぐに提示できて、ちゃんと内容が読み取れるように保存しておく必要があります。

したがって、レシート類はファイルで月や費目ごとに整理しておくようにし、ダンボールなどに入れて屋内のすぐに取り出せるところにしまっておきましょう。

野晒しの屋外で保管して雨で字が滲んでしまったり、カミキリムシに食べられてしまい内容が読み取れなくならないよう注意が必要です。

また、レシートは財布などに入れておくとすぐに文字が禿げて読めなくなってしまうため、レシートを受け取ったら印刷面が内側になるように折ってから財布などに入れるようにし、なるべく早くファイル等に移し替えるようにしましょう。

 


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